東京都港区での認可保育所の新築である。都有地を港区が借り上げ、保育事業者が建物を建てるというスキームである。

埋立地で軟弱な地盤であるが、公募の条件で杭の使用が不可だったため、重量の軽い木造を選択し、採択された。 規模により耐火構造とする必要があったため、耐火木造軸組工法で設計した。

耐火木造では、木の構造体は石膏ボードで被覆してしまうため木材は見えてこない。 そのため化粧材や家具によって木の温かみが感じられるデザインを目指した。

壁から天井に設けた「丸太」は、港区の二酸化炭素固定認証制度（みなとモデル）による協定木材を使用している。他に構造体にも協定木材を使用したが、珍しい事例とのことであった。

安全上必要な柵を木製とし、かつあえて見つけが大きくなるような設計とし、木質感を高めている。柵と引き戸の交点は力がかかるため柱を設け、立ち木のようなデザインとした。左上の窓枠や照明は、ホコリだまりとならないように斜めの面として、清掃性にも配慮している。

所在地　東京都港区
用途　認可保育所
建主　非公表
設計・監理
建築　田口佳樹/YTT
構造　シェルター
設備　日本設備計画設計

施工
建築　三井ホーム施設事業本部

規模・構造
敷地面積　981.71m2
建築面積　492.35m2
延床面積　861.48m2
階数　地上2階
構造　耐火木造